2016.01.12

企業の取り組み:ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社

インタビュー日:2016年01月05日

ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社

【インタビュー】
島田由香さん (取締役 人事総務本部長)
桑野詩織さん (営業アシスタントマネジャー・人事部アサインメント新卒採用担当)

ユニリーバ・ジャパン御中_LGBT就活_写真

 

−−貴社のダイバーシティへの取り組みについて教えて下さい。

島田さん:ユニリーバではダイバーシティは当たり前にあるものとして捉えられています。
特に「これに取り組んでいます」と列挙するものではなく、私達が毎日ビジネスに取り組み、よりよい明日を創るというミッションを実現する上でなくてはならない大切な文化です。
ダイバーシティに関して他社の方にお話する機会も多く、ユニリーバのダイバーシティが根付いた社風は社会的にも認識されていると感じています。

 

−−貴社のダイバーシティについて詳しく教えて下さい。

島田さん:ユニリーバでは本当に個性豊かな社員が働いています。
世界190か国でビジネスを展開しているので、言い換えれば世界中の人と一緒に仕事をするチャンスがあるということになります。
ユニリーバに来てから、出会う人の国籍や言語の違いのバラエティのみならず、その違いを認め合う文化に驚きました。そこには人種や性別を超え、考え方、働き方など各人で違っていること全てが含まれています。
「仕事を1週間後位までには8割達成させよう」と言っても、人によって「1週間位」や「8割」の定義や感覚は異なります。
ユニリーバでは全ての人が違うということを認識・尊重し、同じ目標をどのようにして一緒に協働して達成するのかというダイバーシティの醍醐味を日々実体験できます。

桑野さん:私も入社してからユニリーバのダイバーシティが豊かな社風を実感しました。例えば、会議では新入社員でも自分の考えを遠慮することなく発言出来ます。
あくまでも、人として相手を尊重することが大切であり、年齢や肩書きに関わらずありのままで働くことが出来る環境です。

島田さん:ユニリーバでは「こうでなければいけない」というものがありません。
自分らしくあることで個々が最も高いパフォーマンスを発揮出来ると考えているからです。

それを表したのが「Be Yourself」というユニリーバの大切にしている文化です。

ユニリーバのCEOであるポール・ポールマンは、ダイバーシティに関して強いミッションを掲げ、ユニリーバの社員のみならず世界中の人々に発信しています。
「何のために働いているのか」という最も大切な部分を全員で共有出来ていれば、基本的に個人の考え方や価値観など全てを尊重し、全員が自分らしくある状態が、最もパフォーマンスも幸福度も高いとする文化が根付いています。その上で、ユニリーバ・ジャパンでは、相手との違いを理解し尊重するためにはまず自分を知ることが大切であるという考えのもと、自分を知るための機会や場所を積極的に提供しています。
例えば、自分の人生の目的に基づいてキャリアプランを数十年先まで考え、上司と共有するIDP(Individual Development Plan)を実施していますが、社員からの反響は大きく各人の成長に効果的だと感じています。
以上をまとめると、ユニリーバ・ジャパンでは
⑴自分を知る
⑵相手を知る
⑶目的・目標を合わせる
がダイバーシティの取り組みであると言えると思います。

 

−−各国での文化が違う中、どのようにして「Be Yourself」を全社として進めているのですか?

島田さん:ユニリーバとして世界共通で行っているアクションは勿論ありますが、”Global scale, local roots”の考え方を大事にしています。
つまり、各国で宗教や文化も異なりますので、その国で大切にしていることや必要なことに配慮して展開しています。その考え方は製品のマーケティングの各国における違いや工夫と同様です。
例えば、日本の売上No.1のシャンプーLUXという製品のCMでは毛先までツヤのある美しい髪をアピールしていますが、女性が髪の毛を見せること自体がタブーとされているイスラム圏の国では、ヒジャブ(頭に巻く布)を美しい髪に見たてたCMを展開しています。
私たちは人を一番大切にしており、各国の消費者の方を理解し、各国の文化を尊重し、その国でベストのやり方で展開します。
「Be Yourself」についてもこれと同じことが言えると思います。

 

−−貴社のLGBTへの取り組みについて詳しく教えて下さい。

島田さん:ユニリーバが「Be Yourself」を大切にしていることでお分かりいただけると思いますが、LGBTであるということはアイデンティティの1つであると考えています。
そのため、「LGBT」だけに特化した取り組みはしていません。LGBTとしてではなく、その個人として捉えています。
実際に、LGBTであることをオープンにして働いている社員もいますし、その方に対して当たり前の応援をする風土・体制が出来ています。そしてその応援はLGBTだからではなく、それぞれが個性のある個人だからする応援です。
ユニリーバでは、その仕事が出来る人であれば、それを担当するのは誰であってもいい、男性でも女性でもLGBTでも日本人でも日本人でなくても、誰でも大歓迎なのです。

 

−−LGBTの就活生・学生へメッセージをお願いします。

島田さん:「ありのまま」いてほしいです。
「自分らしく」あるということは何においても大切なことです。自分を知ること・理解することは口で言うのは易しいですが、実はとても難しいことだと思います。だからこそ、自分を知ることに時間をかけ意識を向けることが大切です。
自分に意識を向けてみると必ず気づきがあり、自分にとって大切なものが見えてきます。それが分かることで、よりいきいきとした、豊かな毎日を送ることにつながると考えています。
LGBTであるということは、それだけで素晴らしい個性だと思います。今までの生活の中で生きづらさを感じたり、自分を抑えてきた部分もあるかもしれません。ですが、世の中の「当たり前」は変化するものです。
LGBTであるということは1つの自慢出来る個性であると胸を張って、是非ありのままのあなたでいてください。そしてありのままでいられることで持ち前の能力を存分に発揮できる仕事・会社・環境を見つけて欲しいと思います。

桑野さん:とにかく「ありのまま」でいて下さい、ということを伝えたいです。

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